今宵、フィッツジェラルド劇場で [PR]

レーベル: 東宝
DVD
発売日: 2007年7月27日(金)
画像: 大 中

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   巨匠ロバート・アルトマン監督の遺作。まるで予感されたように「最後」がキーワードになる作品となった。ミネソタ州セントポールのフィッツジェラルド劇場で、30年もの間、ラジオの公開生番組として続いてきた音楽バラエティショー。番組が打ち切りになりことが決まり、「最後」のショーとなる一夜が描かれていく。
   メリル・ストリープ、リンジー・ローハンらキャストが軽妙かつ巧みなボーカルを披露。舞台がアメリカ中西部なのでカントリーの曲が中心だが、歌詞がユニークなので、なじみのない人にも十分楽しめる。アルトマンらしいのは、舞台裏での複雑な人間関係。これを歌の合間に織り込んでいく手法は、さすが老練の域である。
   さまざまな笑いにあふれつつも、全編に静かに漂うのは「死」の香り。死神のような女性の存在に、消えていく劇場中継へのノスタルジーが重なるが、ラストは、その「死」さえも幸福感で包んでしまう。アルトマン自身は、まだ映画を撮り続けるつもりだったろうが、偶然にしても、美しい遺書のようになった本作の結末は、胸に迫るものがある。巨匠というのは、人生自体も演出してしまうのか。(斉藤博昭)
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